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根治手術記録

心臓根治手術のためのセカンドオピニオンを主治医にお願いしたお話

心臓根治手術のためのセカンドオピニオンを主治医にお願いしたお話
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セカンドオピニオンは今や当たり前に聞く言葉です。

でも、実際に自分や家族がセカンドオピニオンをしたいと思った時にどうすればいいんだろう?と思った事はないでしょうか。

心臓病の息子の根治手術をする際に、私たち家族もこの問題に直面しました。

なんとしても息子を助けたいという一心でセカンドオピニオンをお願いしました。

たらこっこ
たらこっこ

ご訪問ありがとうございます。
たらこっこ@nikonikotarakoです。
今までお世話になっている主治医にセカンドオピニオンをお願いするのは気が引ける…
そんな当時の体験談をまとめています

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セカンドオピニオンって何?

セカンドオピニオンは、今かかっている主治医以外の医師に第2の意見を求める事です。

患者さんに提供すべき治療が医師や病院によって同じとは限りません。

医師や病院によって提供できる医療の内容に限界がある場合もあります。

“患者さんにとって最善だと思える治療を判断するために別の医師の意見を聞くこと” それがセカンドオピニオンです。

『セカンドオピニオン=今の主治医から医師を変えること』と思われる方も多いようですが、セカンドオピニオンは医師を変えることではありません。

あくまでも “別の医師の意見を聞くこと” です。

ただしセカンドオピニオンを受けた後で、結果的に別の医師が提供する治療を受けるために主治医や病院を変えるという事は可能です。

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私たち家族がセカンドオピニオンを考えた理由

ここからは総動脈幹症という先天性心疾患で産まれた息子の根治手術にむけて、最初の病院でどのような術式を提示されたのかをまとめています。

生後7日目の最初の心臓手術では根治手術ができませんでした

息子の最初の心臓手術は生後7日目でした。

「治せるようならこの手術ですべて治したいと思っています」と手術前に執刀医が言いましたが、実際に手術に入ると、思っていたよりも複雑で難しい状態だったため、この時点での根治手術は回避されました。

とりあえず今治すべきところだけを治す手術(=姑息手術)をして最初の心臓手術は終了しました。

今後体重を6㎏位まで増やして、その時に根治手術をするという結果になりました。

体重が増えたらどんな根治手術をするのか。病院からの最初の説明

『総動脈幹症』という心臓病には『ラステリ手術』という術式がベストだと提示されました。

総動脈幹症とは?
本来ふたつの大血管で形成されるべき心臓の出口が、ひとつの弁、ひとつの大血管によって形成されている稀な先天性心疾患です
ラステリ手術とは?
イタリアの心臓外科医ジャンカルロ・ラステリによって創始された心臓手術の一つです。右室・肺動脈間に血流路を作成する手術を総じてラステリ手術と呼ばれています。日本では肺動脈弁の人工弁付き人工血管を使用します。体格の小さな子供の場合には大動脈弁用の人工弁などを使用します

簡単に言うと、2つあるべき大血管が1つしか無い状態ということです。

そこで、1本血管を作って継ぎ足す手術をして、心臓が本来あるべき形に作り替えるということですね。
たらこっこ
たらこっこ

理論的には本来ある心臓の形に作り直すので、心臓の機能そのものはあまり落ちることなく維持できるようになります

体重6kgになって手術前カテーテル検査を実施。そこで提示された術式

いよいよ根治手術を考える時期にさしかかりカテーテル検査を実施しました。

そこであらためて根治手術についての説明がありました。

カテーテル検査で精査した結果、ラステリ手術は不可能だと考えます。

そこでグレン手術・フォンタン手術での根治手術をしようと考えています。

グレン手術・フォンタン手術とは?
主に単心室・先天性弁膜疾患・心臓のポンプ機能異常などの疾患に適応する手術です。第一段階としてグレン手術を行い、その後の第二段階としてフォンタン手術を行います。フォンタン手術はあくまで機能的修復術になります。しかし多くの場合は正常に近い程度の成長・発達が得られるようになります
この結果は生後すぐの説明とはまったく違うものだったので愕然としました。

生後すぐの根治手術の説明内容

  • ラステリ手術は心臓の形を正常に近い形にできる手術で、息子さんの疾患にはこれが適用できる
  • 心臓病の中にはもともと心室が1つしか無い場合などもあります。この場合はグレン・フォンタン手術をする事になりますが、こちらは本来あるべき心臓の形では無いので、予後が悪くなるケースもあります
  • 息子さんの場合は心臓の形そのものは心室2つ心房2つの正常な形ですからラステリ手術がベストな術式になります

心室と心房が2つずつちゃんとあるのに、グレン・フォンタン手術をするのは納得がいかない…

ラステリ手術が可能な病院は他に無いの?この結論は正しいの?

最初に『ラステリ手術がベストです。ラステリ手術を目指します』と言われていたのに、まったく違う術式を提示されてしまいました。

なんとしてもラステリ手術での根治手術を望んでいた私たちはセカンドオピニオンを考えました。

インターネットで小児の心臓手術の年間の件数が多い病院を探しました。

残念ながら2007年当時『総動脈幹症』はかなり稀な疾患だった為、この手術を行っている病院はインターネットの情報からは見つけることができませんでした。

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主治医にセカンドオピニオンの資料を準備してもらう(当時の日記)

息子の病気は妊娠30週で発覚したので、その時からずっと今の病院でお世話になっています。

今まで治療をしてきた中で先生や看護師さん達の対応はいつもあたたかくて、これといって不満をいだいた事はありませんでした。

でも心臓手術において症例数が多い病院かと言われればそれほど多くはないかもしれません。

最初は無我夢中で、先生達の「治してあげれらると思っています」という言葉を信じて突っ走ってきたけれど、次の手術を考えるとセカンドオピニオンも必要かなと感じてきました。

一時退院の時に「今までもとても大変だったけれど、まだまだこれからが大変です。今がやっとスタートラインに立ったに過ぎないと思っていてください。次の手術のほうがはるかに難しくなります」と言われました。

それだけに “もっと症例数を多くこなしている先生に手術をお願いしたほうが
いいのではないか” 
という考えが頭をよぎるようになってきました。

一時退院の時に先生はこう言ってくれました。

セカンドオピニオンはどんどん行ってもらってもいいですよ。
僕自身も他の病院での見解が聞きたいです。
今までにも手術は他の病院で行って、その後の治療はまたこちらに戻って来るという方もいましたよ

でも実際にどの病院にセカンドオピニオンに行くかも決まっておらず、とりあえずどこかの病院に行く可能性を考えて今までのカルテをまとめておいていただけるようにお願いしてありました。

そして色々な病院の情報を調べて、ようやくセカンドオピニオンに行く病院を決めました。

その病院のセカンドオピニオンには紹介状が必要で紹介状も書いてもらえるように電話で伝言をお願いしていました。

主治医の先生は不在の事が多くて、何度か電話した結果、結局伝言で紹介状のお願いをすることになりました

一時退院の時にセカンドオピニオンに対してとても前向きなお話をしてくれたけれど、いい先生なだけに、ちょっと気がひけるというのが本音でした。

実際、カルテは一時退院の時にお願いしてあったものの「あまりにも膨大な量なので少し時間がかかります」と言われ、すでに2ヶ月が経過していたんです。

伝言をお願いしたのはいいけれど、なんだかカルテをせかしているみたいだし、セカンドオピニオンに行くのって今の時代は当たり前って言われていてもやっぱりなんだか裏切るみたいだな…

こんな小心者の心が出てきていました。

そして、ようやく先生から電話がきました。

紹介状は次に病院に来る時までに用意しておけばいいですよね?
あの先生はおすすめですよ。
優しくて技術もあります。
色々とお待たせして時間がかかってスイマセンでした

はぁー今までのうだうだした悩みが一気にふっとびました。

ホント、いい先生で良かったと改めて思いました。

実際にどこの病院で手術をするのかはまだわからないけれど、とりあえずセカンドオピニオンに行って、お話を聞いてこようと思っています。

でもホント、セカンドオピニオンって難しいですよね。。。

[2007年7月30日]

この後、3つの病院にセカンドオピニオンに行った体験談はこちらにまとめています。

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同じ病院でお友達になった他の心臓病の子の例では

息子さんが心臓病児の通所施設「こばと園」に通っていた時に同じ病院の子がいました。

主治医も息子さんと同じでした。

その子は息子よりも軽い心臓病でした。

その子のお母さんもセカンドオピニオンを考えて主治医に相談しました。

『どうしてもセカンドオピニオンに行きたいなら紹介状は書きますが、正直なところ、どこの病院へ行っても同じ話になると思いますよ』

と言われて、結局セカンドオピニオンに行くことなく、この病院で手術を受けたそうです。

息子さんの時とはだいぶ違う対応だったので少し驚きました。

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セカンドオピニオンはやっぱり難しい?

最近は病院内に『セカンドオピニオンはご相談ください』といったポスターが貼られている事も多いような気がします。

それでも、セカンドオピニオンをきちんと理解してくれていない先生がいるのも事実ではないでしょうか。

また、患者の側としても主治医との関係が悪くなることを心配してセカンドオピニオンを言いだせないと思ってしまう事もあると思います。

『主治医を変えたい』『もっと設備が整った病院へ移りたい』などという場合は、セカンドオピニオンではなく転院・転医になります。

セカンドオピニオンにしろ、転院にしろ、現在の主治医にその意思を伝えてカルテや紹介状を準備してもらう必要があります。

いずれにしても可能な限り自身の気持ちを素直に主治医に伝えて、今後のより良い選択をする事が大切ではないかと思います。

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まとめ

息子さんが根治手術をひかえた2007年にセカンドオピニオンを考えた私達家族の経験を当時の日記をまじえてまとめました。

私達の場合は『できないと言われている手術ができる病院を探す』という目的のセカンドオピニオンだったので、厳密に言えばセカンドオピニオンと転院の間といった感じだったかもしれません。

正直なところセカンドオピニオンは少し “勇気” が必要だと感じます。

もっと気楽にできるようになればいいのに…と思ってしまいますね。

最後まで読んでいただきありがとうございました

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たらこっこ

Profile

心臓病児を育てるアラフィフお気楽主婦。
先天性心疾患の情報・発達のんびりっこの育児情報などを発信中!息子の病気についてはプロフィールページをどうぞ!

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