『総動脈幹症』『大動脈弓離断症』の心臓病で産まれた息子さん。
東京から福岡の病院まで行って根治手術を受ける事になりました。
その時の記録「手術当日~」を当時の日記をまじえてまとめています。
※入院は2007年10月の記録です。今の病院のシステムとは変わっている部分もあります。
心臓根治手術終了。神の手は暖かかったです。(日記)
テレビで『世界の名医』として紹介されていたいたのを見て、何のコネもないのに思わず電話してしまった私。それに快く応じてくれた福岡市立こども病院の角秀秋先生。
私達がセカンドオピニオンを受けた中でも「ラステリ手術での根治手術ができます。」と言ってくれたのはこの先生だけでした。
迷わず、この先生に手術をお願いしようと思いました。
手術当日。
午前8時半手術室へ入る。
午後6時半。思っていたよりも早い時間に先生が出てきました。

無事に成功しましたよ。難しい手術でしたが理想通りの手術ができました。
大丈夫だと思いますよ。本当によく頑張ってくれましたよ。
今まで本当に大変だったでしょうがもう大丈夫でしょう。
そう言って握手をしてくれました。
先生の暖かくて力強い手の感触はずっと忘れないと思います。
私の人生の中で一番嬉しかった日は息子が産まれた日でした。
でも同時に病気との闘いがはじまった不安な日でもありました。
あれから9ヶ月。
今日が人生で一番嬉しい日に変わりました。
まだ術後の不安はあるけれど、困難と言われていた根治手術が成功した今日は、一生忘れない大切な日になりました。先生本当にありがとう!
手術中はベビーシューズを作りながら待ちました。これを履いて退院できる日を願って。
[2007年10月23日]心臓根治手術の記録

人工血管を入れ替える手術は今後数回必要になってきます。個人差はありますが、小学校に上がる頃、思春期にさしかかった頃、成人してからという感じかもしれません。
と説明されていました。
入院翌日。生後9か月になりました。(日記)
術後なので寝ていて動かない状態を想像していたけど、時々起きて大きく目を開いてくれました。
術後経過は順調とのこと。
体重は少し減って5700gになりました。ミルクは25㏄を8回だそうです。
[2007年10月24日]入院19日目、術後5日目。まだICUにいます。(日記)
生後一週間目で手術してくれた東京の大学病院の先生と、福岡こども病院で手術してくれた先生は師弟の間柄だそうです。
術前も先生がこう言っていました。

学会で東京に行く予定があったので、最初の手術の状況もよく聞いてきました。万全に準備していますから大丈夫だと思いますよ!
そして術後も東京の病院に電話をして手術の成功を伝えてくれていたそうです。私はそれを東京の病院の看護師さんから聞きました。

福岡の先生からお電話をいただきました。こっちの先生方もみんなすごく喜んでましたよ!
早く帰ってきて元気な姿が見たいです~!
私達の知らないところで、先生方が連絡を取り合ってくれていたこと。東京の先生達が応援してくれていること。本当に有難く、嬉しいことだなぁと思います。
今回の手術の成功の陰にたくさんの人の協力があったことを、息子が大きくなった時にしっかりと伝えたいと思います。
そして助けてもらった命を大切に精一杯生きて欲しいと思います!
[2007年10月28日]手術から1週間経過(日記)
昨日は主治医の先生からお話がありました。

術後の経過は順調ですが、熱が出たり下がったりの繰り返しです。炎症反応があるので慎重に様子を見ています。
普通は術後、炎症反応は上がるもので、それが少しずつ下がっていくんだそうです。
息子の場合は上がったり下がったりしているそうです。
生後1週間での最初の心臓手術の後にMRSA感染症にかかりました。その菌が体内に潜んでいるという可能性もあります。
それも考慮して、術後すぐに予防的に抗生剤も投与して慎重に診てくれているのですが炎症反応がある状態というのはちょっと心配です。
前回も手術後1ヶ月経過して頃、退院間近という頃に感染してしまいました。そこから3ヶ月もの長い闘いだったので、感染症の怖さは痛いほど知っています。またそんな事にならないように、とにかく祈るしかありません。
でも感染症にかかった経緯があることで、先生方もとても慎重に診てくれていて、ICUでしっかり見てもらえているので、その点では安心しています。

早くICUから出れるといいなぁ・・・。
いやいや、しっかり回復するまで見て欲しい!
ふたつの気持ちが入り混じっています。
[2007年10月30日]手術から8日目。緑膿菌が検出される。(日記)
術後の回復は順調だったものの、炎症を示す数値がなかなか下がらないようです。検査をしたところ緑膿菌が微量だけ検出されたそうです。
前回MRSA感染症ではさんざん苦労したので感染症だけは勘弁して!!という感じです。
でも今のところ感染症になるというところまではいっておらず、炎症の数値も少しずつ下がってきているとのこと。ひとまず安心です。
でも、左肺の働きが少し弱くて苦しくなる事があるので今日はまた人口呼吸器をつけたそうです。
ICUのベッド数は6床と少なくて、毎日入れ替わっているような状態です。
そんな中、うちの息子はすでに8日目。最初は真ん中だったベッドがどんどん横にズレていって、ついに今日は1番壁際まで来てしまいました。気づけばICUで1番の長寿者になってしまったようです。面会中は眠り薬でほとんど目を開けない息子です。
手術から9日目。気管の状態をファイバースコープで検査(日記)
昨日人工呼吸器をつけたので、ほとんど眠った状態なのかと思っていたけれど、息子は案外元気な様子でした。
点滴のついた手足をブンブン振り回していました。
耳鼻科の先生が気管の状態を検査
左肺へ続く気管の部分が約1cmにわたって狭くなっている部分があり、それによって左肺への呼吸の流れがうまく保てないようです。
術後でむくんでいることもあって、より狭くなってしまっている可能性があるとのこと。
今はまだ炎症反応もあるので、しばらくは人工呼吸器で圧をかけて、気管が広がるのを待つということでした。それでも治らなかった場合には、もう一度胸を開けて気管の部分を引っ張って広げる手術をするそうです。
心臓手術を執刀してくれた先生も主治医の先生も来てくれました。

時間がかかるかもしれないけれど、しっかり治していきましょう!
大きな手術だったので、時間がかかるのは覚悟していました。
ICUでじっくり診てもらえるほうが安心なので、今はとにかく見守るしかありません。
なかなか回復しない息子を思って、住吉神社で絵馬に願いを・・・
・住所:福岡県福岡市博多区住吉3-1-51
・電話:092-291-2670
・アクセス:地下鉄博多駅より徒歩約10分
面会後に暇な私達は博多の住吉神社に行って来ました。
「日本三大住吉」と言われているそうで、なんだかご利益がありそうです。
絵馬に「息子が1日も早く治りますように・・・」と願いを書いてきました。
今日からもう11月です。

11月末までには退院したいなぁと思っていたけど無理かなぁ。
なんとか年内には退院できるといいんだけど。。。
でも、長い人生のうちの1ヶ月、2ヶ月はたいしたことありません。きっとあとで笑い話になるはず!
命をかけた大きな手術をしたんだから、ゆっくりじっくり治ってくれればいいなーと思います!
まとめ
生後8ヶ月体重6㎏で心臓根治手術をした時の記録『手術当日~術後9日目』までをまとめました。
手術が成功して安心したのも束の間、感染症や気管の狭窄でなかなかICUから出る事ができません。
「手術は終わってからのほうが大変・・・」とあらためて実感しました。
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