NICU-新生児集中治療室に入院してからあっという間に2ヶ月が過ぎました。
最初の心臓手術は成功したもののMRSA感染症の治療期間は先が見えず長い闘いが続いていました。
MRSA感染症の治療期間が長引いた生後3ヶ月までの記録をまとめています。
たらこっこ@nikonikotarakoです。
NICUの入院がこんなに長引くと思ってもいませんでした…
NICU-新生児集中治療室については、ママ広場に記事を掲載してもらっています。参考にしてみてください。
MRSA感染症にかかって危篤宣告をされた時の様子はこちらにまとめています。
目次
- 1 MRSA感染症の治療期間が長引いた生後2ヶ月~3ヶ月までの記録
- 1.1 NICUは退院ラッシュ
- 1.2 なかなか吸引してもらえなかった話
- 1.3 見慣れない先生が主治医?
- 1.4 MRSA感染症にかかって1ヵ月:明日は縫合手術
- 1.5 縫合手術の日
- 1.6 NICUに来た研修生:頑張っています
- 1.7 心臓手術をしてくれた先生の言葉
- 1.8 おしゃぶりを試し続けてくれた看護師さん
- 1.9 ゆらゆら揺らされるのが大好き
- 1.10 入院中の赤ちゃんは親を認識しているの?
- 1.11 感染症の結果が陰性に!飛び上がるほど喜んでくれた先生
- 1.12 鼠径(ソケイ)ヘルニアが発覚!
- 1.13 搾乳の日々は辛い
- 1.14 もうすぐ生後3ヶ月:体重4kg突破
- 1.15 経管栄養のチューブ交換の練習は悪戦苦闘
- 1.16 生後3ヶ月記念日
- 2 終わりに
MRSA感染症の治療期間が長引いた生後2ヶ月~3ヶ月までの記録
ここからはMRSA感染症の治療に関する事やNICUに入院していて感じた事などを当時の日記形式でまとめています。
NICUは退院ラッシュ
先週末はNICUから退院していくベビーちゃんが多くて、きつきつだったベットの間隔が空き空きになりました。
息子は当初1ヶ月で退院予定でした。退院日も間近に迫っていたのに心臓手術の傷口から菌に感染してしまいました。
感染症は心臓手術の合併症としては起こる可能性が高いものかもしれないけれど、なんだか余計な寄り道だなぁって感じがして悲しくもなりました。
退院していくベビーちゃん&嬉しそうなお母さんを横目に “ウチはウチだから、ゆっくり頑張ろう!” と思いつつ、やっぱりちょっと羨ましかったりもします。
でも息子は毎日小さな体で頑張っています。どんどん成長してきて男の子らしい顔つきになってきました。
用意してあるベビードレスは似合わなくなってしまうかもしれないけど、退院の時にはとびっきりお洒落して帰ろうね!
なかなか吸引してもらえなかった話
MRSA感染症の菌の洗浄手術では傷口を開いたままでしばらく様子をみることになりました。
傷口は開いた状態なので、肺にタンが溜まりやすいようです。
呼吸も苦しいので、口から人工呼吸器をつけています。
人工呼吸器のせいで、声もまったく出せません。
今回の手術はそれほど大きなものではなかったけれど、人工呼吸器をつけられている姿はやっぱり苦しそう。呼吸器が抜けないように両手を縛られて身動きもとれません。
今日の面会中はほとんど寝ていました。
でも帰り際、起きたと思ったらすごく苦しそう。どうやらタンが溜まったようです。
吸引してもらえれば楽になるのですが、担当の看護師さんが近くにいない…
息子の顔はどんどん真っ赤になっていって汗だく。
ようやく担当以外の看護師さんが来たと思ったら「あらあら泣いちゃったのね」と言って去って行ってしまいました。
看護師さん達にとって、タンが溜まるのはわかりきっていることで、とても苦しそうにしていても、それは大したことの無い範囲なのかもしれません。
近くで見ていながら手を握っていることしかできない自分が情けなく、息子と一緒に泣いてしまいたい気持ちになりました。
泣き続けること10分。
ようやく担当の看護師さんが来て吸引してくれました。
きっと1日のうちに何回も泣いているんだろうなぁ。
産まれた直後はもっと大変な状況だったけど、だんだん成長してきて元気な姿も見てきているだけに今日の息子の姿は見ていられない感じがしました。
見慣れない先生が主治医?
息子の病気を治すにあたって最初に7人のチームで行いますと説明されました。
でもいつも来てくれる先生はだいたい決まっていて、それ以外の先生の顔はよくわかりません。今日は見慣れない先生がやってきました。
私の記憶が正しければ、たぶん7人の中で一番偉い先生で、息子のベッドサイドに「主治医」と書かれている先生だと思います。
息子が産まれた時に「こちらが主治医の先生です」と紹介されたのですが、産まれた直後で早く息子に会いたかったし、ほんの一瞬の紹介だけだったので、ほとんど顔を覚えていません。
そして2ヶ月入院した中で、その主治医の先生が登場したのは今日が3回目。
傷がじゅくじゅくしているうちは縫えないんですよ
え…?
火曜日に縫うって決まったんじゃなかったっけ?
先生、火曜日に縫合ですよ
それでも先生は顔色を変えず病状の説明をしていきました。
「主治医」とは言っても、いまいちよくわかっていらっしゃらない様子。
いつも来てくれる先生はまだ若く、名前も7人中3番目に書かれています。
大学病院なので色々なシステムや上下関係があるのでしょうが、こっちからしてみれば「この先生が主治医……???」って感じです。
誰が主治医でも、きちんと病気が治ってくれればいいんだけど。
私の中での主治医は、いつも来てくれる先生なんだけど…などと思ってしまいました。
NICUを退院してからの外来受診では、この時「主治医なの?」と思っていた先生は、ちゃんと主治医でした(笑)
病棟に入院中は病棟担当の先生が見てくれて、主治医はあまり顔を出さないんですね。
でも、退院してからの外来はこの主治医の先生が担当で、この先生にしか会わなくなりました。
この時はわかりませんでしたが、とてもいい先生でした(笑)
MRSA感染症にかかって1ヵ月:明日は縫合手術
息子が感染症にかかってから1ヶ月以上経ちました。
縫合してあった傷口を開いて消毒を続けたものの回復せず、手術でさらに傷口を開いて奥のほうまで消毒しました。
その手術では傷口をふさがずに開いたままで、しばらく消毒を続けていました。
ガーゼの隙間から見える傷口はパックリ開いていてとっても痛そう。
ようやく回復の兆しが見えてきて、菌が体内にいる可能性も少ないということで、明日縫合手術をすることになりました!
心臓手術に比べたら、縫合なんて手術のうちに入らないかもしれないけれど、全身麻酔をかけられるからちょっと心配。
なにごともなく無事に終わりますように!
そして、体内から完全に菌が無くなりますように!
縫合手術の日
今日は縫合手術の日でした。
無事に終わって、あとは体の中から菌が無くなるのを祈るばかりです。
手術後の息子は、痛いのかお腹が空いているのか足をぶんぶん振り回していました。
痛そうな姿はちょっと可哀想だったけれど、ぶんぶん振り回すほどの力があるのは元気な証拠(?)と少し安心しました。
明日はもっと回復した姿が見られるといいなぁ。
この時のMRSA感染症に対する治療の結果、胸骨の一部も削られて無くなってしまっていたようで…13年後の手術でこの事が判明することになりました。
NICUに来た研修生:頑張っています
4月に入って、病棟の中でも研修生が頑張っています。
先輩の看護師さんに色々と教えてもらいながら慣れない手つきでシーツの交換などをしていました。 “若いっていいなぁ~” なんて思ってしまいました。
そして息子の傷の消毒の時にはぞろぞろと大勢の研修生に囲まれてしまいました。
しかし息子は余裕の態度で寝っぱなし。
ずいぶん慣れてきましたなぁ~(笑)
研修生の方達には、今のキラキラした目でずっと頑張ってもらいたいものです。
息子はこの先もずっと病院とお付き合いしていかなくてはなりません。もしかしたら、今日の研修生の方達に将来お世話になるかもしれません。
いっぱい勉強して、一人前になって欲しいですね!
心臓手術をしてくれた先生の言葉
息子の傷口の消毒の時に、多数の研修生が見学に来ました。そして手術をしてくれた先生は研修生たちにこう言いました。
私達は病気を治してなんてあげられないんですよ。
今回も傷口をくっつきやすくするために、ちょっと手伝ってあげただけです。
治すのは患者さん自身なんですよ。
“治してあげる” なんておこがましいことは言えません!
とても難しい心臓の手術をしてくれたのに、偉そうな態度はひとつもなくいい先生だなぁと思います。
とにかく息子の生命力を信じるしかないんだよなぁ…と改めて感じた先生の言葉でした。
おしゃぶりを試し続けてくれた看護師さん
面会に行くとぐったりと横たわる息子。
枕元には種類の違う3つのおしゃぶり。
一体何があったのか・・・・・!?
なにやら午前中に暴れてしまってなかなか落ち着いてくれなくて、鎮静剤を投与されたそうです。
息子はまだ心臓の根治手術を受けていないので血液中の酸素飽和度が低く、暴れたり泣いたりするとますます低くなってしまって危険なので鎮静剤を投与することもたまにあります。
息子は産まれた直後からおしゃぶりが大好きでした。
もともとは口で呼吸すると酸素飽和度が低くなってしまうので、鼻呼吸をしてもらうためにおしゃぶりを与えたのですが、こちらが押さえていなくてもちゅっちゅちゅっちゅとひたすら吸っています。
私達が購入して持参したおしゃぶりがお気に入りだったのですが、ここ最近は人工呼吸器がつけられていたので無くさないように一度持ち帰っていました。
お気に入りのおしゃぶりが病院になかったので、看護師さんは3つもおしゃぶりを持ってきて息子を落ち着かせようとしていたんでしょうね…
散乱していたおしゃぶりがその奮闘をものがたっていました。
今日はお気に入りのおしゃぶりが復活!
半分寝ながらも上手にちゅっちゅしていました。
ゆらゆら揺らされるのが大好き
息子は今日もちょっとぐずり気味になる時がありました。
ご機嫌かな~と思って油断していると突然顔をしかめて泣き出しそうになる事が何度も。
パパさんが息子をゆらゆら上下に揺らしはじめました。
すると泣き出しそうだった顔からきょとんとした顔になってされるままにゆらゆら揺れていました。
揺らすのをやめてしばらくするとまた泣き出しそうに…そんな時はつかさずゆらゆら。ゆらゆら。
こうして今日はなんとか大泣きせずに面会を終えました。これからはゆらゆら大作戦かな。
入院中の赤ちゃんは親を認識しているの?
育児本などを見ると赤ちゃんは生後2ヵ月~3ヶ月頃になると親の顔を覚えて、他人と区別できるようになるんだとか。
毎日接して世話をしてくれる人の顔を覚えるんでしょうね。
じゃあウチの息子の場合はどうなんだろう!?
毎日お世話をしてくれるのは病院の看護師さんたち。しかも毎日違う人達。
さらに時々男の先生がやってきて治療をしたりして、とにかく大勢の人達にお世話してもらっています。
でも親の私は1日2時間の面会のみ。旦那は週末の面会のみ。親として認識してないだろうなぁ。。。
まーそれは仕方ないとして、息子の頭の中はどんな感じなんだろう!?
産まれた時から色んな人にお世話をされて声をかけられて、普通の赤ちゃんとは全然違う環境に置かれています。
でも息子にとってはそれが産まれた時からの環境だから、逆に家に連れて帰ってきたら不思議な感じがするのかな!?
“親と思われてないかも” と考えるとちょっとせつないけど、たくさんの人に名前と顔を覚えてもらって声をかけてもらえるのは、それはそれで幸せなことかなぁと思いました。
感染症の結果が陰性に!飛び上がるほど喜んでくれた先生
息子が感染症にかかってから47日目。ようやく血液検査で陰性の結果が出ました!
心臓手術から1ヶ月経って退院予定まで決まっていた矢先に突然の高熱。
傷口を開いて洗ってもなかなか回復せずに、ついには手術で傷口を奥まで開いて洗浄して
抗生剤も色々変えて、本当に長い戦いでした。
今日は最初にいつも来てくれる男の先生が来て説明をしてくれました。
今後ずっと結果が良ければ抗生剤をやめます。
抗生剤をやめた事によって、また結果が悪くなる事もあります
今までも結果が良かったり悪かったりしていたので「陰性になった」と言われても、割と冷静な私でした。
するとほどなくして女の先生が来ました。
やりましたね~。
もう私の中では号外が出たくらいのニュースですよ!
まだ安心はできないですけど、ホント今まで長かったから嬉しくて~!
興奮ぎみにお話してくれる先生の熱量に冷静だった私はちょっと唖然。
素人の私達は先生の話をただ受け止めるしかないけれど、先生達は色々やっても回復しない事にヤキモキしつつ、回復した時にはこのうえなく嬉しい気持ちになるんだろうな~なんて感じました。
心から喜んでくれる先生に見てもらえて本当に幸せだと思います!
鼠径(ソケイ)ヘルニアが発覚!
息子の病状もかなり良い方向に向ってきていたのに今日はまた新たな問題を告げられました。
『そけいヘルニア』になっているというのです。
それほど難しい病気でもないので、先生もさらっとした感じで説明してくれました。
私もまったく動揺することなく、普通な感じで話を聞きました。
でも難しくないとはいってもいずれは手術が必要ということでした。
はぁ…神様はどうしてこうも次から次と試練を与えるのかしら。
まーでも退院しちゃってたらなかなか気づかなかったかもしれないし、今のうちに見つけてもらって良かったと考えるべきかな。
でも、まだこの先心臓手術も残ってるし、試練はこれで最後にして!
鼠径(ソケイ)ヘルニアの手術は4歳の頃におこないました
搾乳の日々は辛い
昨夜の夢は息子に母乳をあげている夢でした。
なかなか母乳が出ない私なのに、息子の顔が近づいた途端溢れるように母乳が出て、それをおいしそうに飲んでいる息子…
夢の中で、幸せなひとときを過ごしました。
息子が産まれてもうすぐ3ヶ月。
いつの日か直接母乳をあげられる事を夢見て今はひたすら搾乳する毎日です。
もうすぐ生後3ヶ月:体重4kg突破
息子の体重が4kgを超えました。あと数日で生後3ヵ月になります。
健康な赤ちゃんだったら4kg突破なんてあっという間だろうけど、ウチの息子にとっては長い時間がかかりました。
少しずつだけど、毎日着実に成長している息子を見ると “ゆっくりでいいから無理しないで頑張っていこう” と思います。
次は目指せ5kg!!
未熟児で産まれたわけではないから、体重の増加が目標じゃないけどやっぱり大きくなると嬉しいものです。
大きくなって次の手術のための体力をつけなくちゃね!
経管栄養のチューブ交換の練習は悪戦苦闘
息子は心臓病の影響でミルクがなかなか上手に飲めません。
今は1回70ccですが、そのうち30cc飲むのがやっとです。
そのため、鼻にチューブを入れて、残ったミルクはそこから注入しています。(経管栄養)
退院したら、その鼻のチューブ交換を私がやらなくてはならないんです。
以前から病院でチューブ交換の練習をさせてもらっていましたが、感染症にかかってから2ヶ月近くはその練習もストップしていました。
そして、今日は久しぶりにチューブ交換をさせてもらいました。
ところが、今日はなかなか胃にチューブが入ってくれません。基本的には鼻から入れて、スーッと入る感覚があれば入っているはずなのに今日は何度やってもチューブが鼻→口に通ってしまって、口の中からチューブが出てきてしまう始末。
担当の看護師さんは4月から入ってきた新人君で彼がやってもなかなか入らない。
私も彼も汗だく…息子は大泣き…
近くにいた先輩の看護師さんにやってもらうも、やっぱり入らない。
さらにもうひとりの看護師さんもやってきて、4人がかりで再挑戦。
そして30分以上の格闘のすえ、ようやく胃の中にチューブが入りました。
息子は泣きながらもすごい横目で看護師さん達をにらみつけ “まだやるつもりなの…?” というような顔をしていました。
生後3ヶ月記念日
昨日は3ヶ月記念日でご機嫌だったのに今日の息子はご機嫌ななめ。
以前何をやってもぐずり気味の時期があって
『赤ちゃんがピタリ泣きやむ魔法のスイッチ』『泣いている赤ちゃんが泣きやむ185の方法』
と2冊の本を購入しました。
さてさて読んでみようかなぁと思っていた矢先、ぐずり気味の状態を脱して、あまり泣かなくなりました。
私が思うに、ぐずっていた時期は、そこそこ回復してきたのにまだミルクを口から飲ませてもらえなかった時期なんです。
その後口からミルクが飲めるようになると、以前のように訳もなくぐずる事がなくなったように感じていました。
そんなこんなでここ最近はご機嫌な日が多かったけれど今日は久しぶりの大泣きデーでした。
面会に行くとベットで大泣き。大粒の涙。
オムツを替えても涙。涙。
ミルクを飲んでも涙。涙。涙。
やっと眠ったなぁ~と思ったらまた涙。
病院では泣くと看護師さんがやってきて「何泣いてるの~」と声をかけてくれるので私もそんなに困ることはありません。
でも家に連れて帰ってきて、ひとりっきりで育児をしている時にこんなに泣かれたら、こっちも泣きたくなっちゃうかもしれないなぁ。
なるべく早く泣きやませるためにも、やっぱり2冊の本はきちんと読んでおかなくちゃ!!と改めて思った1日でした。
14年前に購入した2冊。今でもこちらの本は販売されています
終わりに
MRSA感染症の治療期間が長引いた生後3ヶ月までの記録をまとめました。
感染症の検査結果も陰性になって、いよいよ退院が見えてきたかと思いましたが、まだあと少し入院期間は続きます。
そのお話は続きの記事で…
最後まで読んでいただきありがとうございました