川崎病は乳幼児期に発症する病気のひとつです。毎年1万5千人くらいの子どもがかかっているといわれている病気です。
我が家の息子さんも4歳4ヵ月の時に川崎病にかかりました。もともと重度の心臓病で産まれましたが、これと川崎病はまったく関係がありません。
川崎病は健康なお子さんでもある日突然かかる事がある病気です。
体に色々な症状が出てから数日経ってようやく川崎病と判明しました。それだけ診断が難しい病気でもあります。
息子さんの体に色々な症状が出始めてから川崎病と診断されるまでの記録をまとめました。
川崎病についての詳しい説明は別の記事でまとめています。
原因不明の症状が色々出る
手足口病?かかりつけの小児科受診
幼稚園で手足口病が流行していました。息子も手足口病のような発疹に加えて発熱・嘔吐・下痢の症状がありました。かかりつけの小児科を受診しました。

手足口病ですね。手足口病はほとんど熱は出ないんですが、ちょっと重症だったのかもしれないですね。
こうして整腸剤と解熱剤を処方されました。
「頭が痛い」と右のこめかみをしきりに触る。総合病院受診。
とにかくしきりに右のこめかみだけを痛がります。

気のせいじゃない?
ん?
でも首の動きもぎこちない・・・?
近所の小児科が休診日なので総合病院に連れて行きました。
診察の結果
- 手足口病ではほとんど発熱することは無い。稀に高熱が出て髄膜炎にかかるケースもあるが、この日の診断時は平熱に戻っていて他にひどい症状は見られないので、髄膜炎や頭の異常は考えにくい。
- こめかみの辺りが痛いとなると中耳炎が疑わしいけれど異常無し。
- リンパ腺がやや右のほうが腫れている。恐らくそのせいで頭痛がするのではないか。
次から次と色々な症状が出る
- 目の充血と鼻血:鼻血は流血しているわけではなく、鼻水が気になって指を入れて傷つけた感じ。パパさんが結膜炎になったので目の充血は結膜炎がうつったのかも? たらこっこ
後に判明。この目の充血は川崎病の症状でした!
- 睾丸が腫れる:片側の睾丸だけ腫れているような感じ たらこっこ
赤ちゃんの頃にソケイヘルニアが発覚していましたがまだ未治療だった為、このタイミングで睾丸が腫れました。これは川崎病の症状ではありません!
- 頭皮にフケの塊:頭の数カ所にフケの塊のようなふくらみがあることに気付く。 たらこっこ
これは脂漏性湿疹です。頭をきちんと洗えていないということですね(苦笑)川崎病とは特に関係ありません!
症状が続いている。再びかかりつけの小児科受診
総合病院を受診して様子をみていましたが、症状が良くならないので再び小児科を受診しました。
手足口病で弱っているところに何か別の菌が入ったのかもしれないですね。
小児科で抗生剤の点滴をしました。
熱が下がらない場合=翌日受診。熱が下がっている場合=翌々日に受診するように言われました。
※翌日は熱が下がっていました。(熱以外の症状は続いていました。)その為、1日様子を見て次の日に小児科を受診しました。小児科受診で「川崎病の疑い」と診断される。
発熱は上がったり下がったりとだらだら続いていました。さらに『リンパ腺の腫れ』『目の充血』『お腹と背中の湿疹』『睾丸の腫れ』といった症状がありました。
再びかかりつけの小児科受診しました。すると、状態を診た先生から思いもよらない言葉。川崎病かもしれないですね。こども病院にお手紙を書きますから、このまま行ってください!
へ?川崎病って何ですの・・・?
もともとこの後こども病院での心臓検診の予約が入っていたので、そのままこども病院に向かいました。
こども病院に緊急入院
こども病院は心臓検診(=循環器科)の予約でしたが、緊急で小児科を受診することになりました。
今までの経緯を聞かれ、小児科からの紹介状を見た先生。

川崎病の疑いが強いですね。このまますぐに入院する事をおすすめしますがどうされますか?

どうされますか?ってそう言われて帰る人いないでしょぉ~(泣)
こうして引き続き休む間もなく『点滴・レントゲン・エコー・CT』と検査の連続でした。
川崎病は感染症ではありません。でも、この当時のこども病院には個室の感染症病棟があって、そこに入院することになりました。個室の部屋にトイレもシャワーもついているお部屋でした。
すぐにここまでの経緯を詳しく聞かれる。
息子さんが心臓病で産まれて病院には慣れている私ですが、この緊急入院の時の問診はすごかったです。

熱はいつからですか?その症状はいつからですか?間違いないですか?〇日からで間違いないですね?
と、かなり細かく今までの経緯を聞かれました。

えっと・・・その症状は3日前、いや4日前位だったかも・・・
とあやふやな事を言うと

そこ大事ですよ。〇日からですか?よく思い出してください。
といった感じでとにかく細かく問診が進みました。
これまでの経緯をもう一度まとめてみます!
病院or自宅 | 症状 | 診断 | |
---|---|---|---|
1日目 | 小児科受診 | 発疹・発熱 嘔吐・下痢 | 手足口病と診断 (解熱剤・整腸剤服用) |
2日目 | 自宅療養 | 熱が少し下がる | ー |
3日目 | 自宅療養 | 解熱剤を飲むと熱が下がる。しばらくするとまた上がる。 | ー |
4日目 | 総合病院受診 | 右のこめかみが痛い 首の腫れ 発熱なし | リンパ腫が少し腫れているが熱もなく元気なので様子を見るようにとの診断。 |
5日目 | 自宅療養 | 熱は上がったり下がったりを繰り返す | ー |
6日目 | 小児科受診 | 再び発熱と発疹 | 手足口病で弱っていたところに別の菌が入った可能性がある。抗生剤を点滴。 |
7日目 | 自宅療養 (熱がなければ様子をみるよう言われていたので様子をみる。) | 熱は下がる リンパの腫れ 目の充血 睾丸の腫れ | ー |
8日目 | 小児科受診 | 症状は前日と変わらず | 川崎病の疑いで紹介状をもらう。 |
8日目 | こども病院 | 川崎病の主要症状で出ていたもの ・発熱 ・目の充血 ・発疹 ・首の腫れ | 川崎病の疑いで緊急入院 |
しかし、他の疾患は考えにくいということで、川崎病と診断されたわけです。
川崎病の6つの主要症状ってどんなもの?
- 5日以上続く発熱
- 両側眼球の結膜の充血
- 発疹(形状・大きさ・場所が定まらない赤味を帯びた発疹。BCGの予防接種痕が赤く腫れる)
- 首のリンパ節の腫れ
- 口唇の赤み・イチゴ舌(イチゴのように舌が赤く腫れる)
- 指先がパンパンに腫れる。皮がめくれる。

息子さんの場合、緊急入院の時点で該当していたのは4つ目まで。入院後に5つ目と6つ目の症状が出てきました。
川崎病は早期診断と早期治療が大切です
川崎病の治療には『免疫グロブリン』と『アスピリン』という炎症を抑える薬を同時に投与する治療が一般的です。できるだけ早期に大量の免疫グロブリン投与を行うことが重要です。
発病から約10日間が『急性期』で多くの症状が出てくる時期でもあります。この時期に治療を開始して症状を抑えることができれば、ほとんど後遺症は残りません。

免疫グロブリンは発症から7日目までに投与できれば冠動脈の後遺症が残りにくいんです。

でも、ここまでの診断の経緯を振り返ると、症状が出そろうまでに時間がかかるし、早期診断もなかなか難しいなぁ・・・。
まとめ
息子さんの場合、最初の発熱から川崎病と診断されるまでには8日間かかりました。1日~数日のうちに症状が出そろえば診断も確定されますが、なかなかそうもいかないのがこの病気の難しいところだと思います。
私は川崎病をまったく知りませんでした。ですから、次から次と出てくる色々な症状に「???」ばかりでした。
でも、事前にこのような病気があると頭の片隅にあれば、また違っていたかもしれません。
川崎病は多くは乳幼児期にかかる病気です。その年齢のお子さんがいる方は、川崎病の主要症状を頭の片隅に入れておくと、いざという時に焦らずにすむと思います。
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