現在住んでいる戸建ての賃貸物件は大家さんがローンを払えず競売にかけられることになりました。
不動産が競売にかけられる前に裁判所の現況調査が行われます。
賃貸で借りている者もこの調査に協力しなければならないのでしょうか?
裁判所の執行官が現況調査についての説明にやって来ました。そして現況調査に立ち会いました。執行官から聞いた話と現況調査の体験談です
不動産の現況調査とは
不動産が競売にかけられると裁判所が不動産に対する現況調査を命じます。
現況調査ではこのような事が行われます。
- 建物外観や基礎の状態を確認する
- 建物内部の状況や間取りを調査する
- 各部屋の写真撮影を行う
- 増改築の有無などを点検する
- 居住者への質問を行う
事前に現況調査に関する通知書が送られてきます。我が家の場合には私が在宅していた時に裁判所の執行官が持参してきました
現況調査の日程は決まっている
通知書には現況調査の日時が記載されています。
基本的にはこの日時に行われるようです。
どうしても変更したい場合には通知書に記載されている裁判所に電話をして日程調整をしてもらう必要があります
現況調査には必ず協力しなければならないのか
通知書にはこのような記載があります。
ご連絡がなくご不在の場合には民事執行法57条3項に基づき、ご不在でも解錠のうえ立入調査を実施することがありますので、あらかじめご了承ください
説明に来た執行官からはこのように言われました。
賃貸で借りられている方にご協力していただくのは大変心苦しいのですが、裁判所命令ですのでよろしくお願いします
室内の写真撮影もするんですよね?家具も写るんですか?
どうしても写してほしくない家具があれば言っていただければ配慮しますが、部屋の雰囲気がわかるように撮影させてもらいますので写ってしまう事もあります。写してほしくない物は片づけておいてください
賃貸で借りているだけでも協力しなければならないようです。
現況調査を突然知る場合もある?
我が家の場合には1年ほど前に大家さんの代理人から「ローンが払えないので任意売却したい」という話をされました。
賃貸物件で突然の立ち退き要求。大家都合で家が任意売却に!
その後裁判所から差押命令の通知が届きました。
賃貸トラブル-第三債務者って?陳述書って?裁判所に確認した事
こういった経緯があったのでいつか競売にかけられるだろうという事はだいぶ前からわかっていました。
でも、もし大家さんが任意売却の話をしてくれなければ、何も知らずに住み続け、ある日突然『不動産の現況調査について』という通知が届いて知ることになったかもしれません。
突然知る事になった場合にはとても驚いてしまいますよね。たとえ賃貸で住んでいるだけであっても現況調査には協力しなければならないという事ですね
現況調査はどのように行われる?
現況調査の日程は通知書で事前に知らされています。
我が家の場合には通知書を受け取ってからちょうど1ヶ月後が現況調査の日でした。
現況調査の1週間ほど前には裁判所から再度日程確認の電話がありました。
当日はほぼ時間通りに執行官と不動産鑑定士2名の合計3名が来ました
我が家の場合は賃貸で借りているだけなので執行官の方はとても恐縮した様子でした。
嫌な思いをさせてしまって本当に申し訳ありません。写真を撮らせていただいてすぐに終わりますので
こうして全ての部屋の写真を撮っていきました。
不動産鑑定士の方は部屋の設備の確認や寸法を測ったりしていました。
現在賃貸で住まれている事や来月退去される事など、あわせて裁判所のほうにご報告させていただきます。ご協力いただきありがとうございました
滞在時間は20分ほどでした。
あと10日もすれば引っ越しをして出ていくんだから、それから写真を撮ればいいと思うんだけど…
終わりに
借りている賃貸物件で現況調査に立ち会った体験談をご紹介しました。
賃貸物件を借りる時に抵当権が設定されている物件だとこのような事態が起きてしまう事もあるんですね。
物件を借りる時に不動産屋さんから「まー競売にかけられるなんて事はほとんど無いですけど」と説明されましたがその “ほとんど無いこと” にあたってしまいました。
直接自分達には関係のない競売の話でなんだかモヤっとしましたがいい社会勉強をさせてもらったと思うことにします。
最後まで読んでいただきありがとうございました