私がブログをはじめたのは2006年12月です。
妊娠30週でお腹の赤ちゃんに心臓病がある事を知らされたのがきっかけでした。
妊娠生活も順調そのもので、出産まであとわずかという時に知らされた赤ちゃんの心臓病。
驚きとショックと不安と、今までの人生で味わった事がないような感情が込み上げてきました。
それでも出産まで突き進むしかありませんでした…
はじめまして。
たらこっこ@nikonikotarakoです。
妊娠中の赤ちゃんに心臓病が判明した時のことを当時の日記をまじえてご紹介します!
目次
妊娠中の赤ちゃんの心臓病がわかった胎児診断
『胎児診断』『出生前診断』という言葉はこの10年ほどでかなり認知されるようになったと感じます。
『胎児診断』『出生前診断』とはお腹の赤ちゃんに病気や奇形がないかどうかを調べる診断の事です。
目的は?
赤ちゃんに病気があるかどうか調べることが目的です。
そして、もし病気が見つかった場合にはこのような対処が可能になります
- 産まれる前に赤ちゃんに投薬などの治療ができる場合がある
- 産まれた後の赤ちゃんに迅速に治療を開始することができる
『胎児診断』『出生前診断』は決して異常のある赤ちゃんを排除する目的でおこなわれるものではありません。
赤ちゃんに病気が見つかったら誰でもショックを受けると思います。
でも見つけてもらうことで助かる命があります。
もちろんその逆に助けることのできない命もあります。
赤ちゃんに病気が見つかった時には、先生によく話を聞いて夫婦や家族で話し合う事が大切ですね
妊婦健診で赤ちゃんの心臓病が判明した体験談
ここから私の体験談をお話します。
東京の産婦人科病院で出産を予定していた私。
妊娠28週の妊婦健診の時に病院の受付で張り紙を目にしました。
『ご希望の方は有料にて胎児超音波診断を行っております。30週の方までが対象となります』
この日に限って、たまたま前の方の会計に時間がかかっていて周りを見渡していたところ張り紙に気がつきました。
今思えば、前の方の会計が長引いていなければ胎児超音波診断を受けることもなく、赤ちゃんの病気にも気がつかなったかもしれません。
そう考えるととてもラッキーでした。
- 30週をこえてしまうと赤ちゃんがお腹の中で向きを変える事がほとんど無いので超音波診断をしてもあまり意味がない
- 希望者のみの診断で費用は自費診療で1万円かかります
- 大学病院から専門の先生が来て専用の機械で赤ちゃんに異常がないかどうかを診断します
私の場合は次の妊婦健診でやってもらわないと30週をこえてしまうので早速予約をしました
胎児超音波診断の日
胎児超音波診断は大学病院の先生が専用の機械を持ってきて診断してくれると聞いていたので、すごい機械なのかと思っていましたがいつもと同じように見えました。
優しそうな先生と看護師さん。
和やかな雰囲気でいつもの妊婦健診と同じような感じでした。
何か気になっている事とかありますか?
実はまだ性別がわからないのでどちらか知りたいです
そうですか。じゃあそのあたりを念入りにみましょうね(笑)
はい。よろしくお願いします
こうしていつもの妊婦健診のように超音波で赤ちゃんの様子を見ていた先生。
ここが頭ですね。こっちが足かな。性別はどうかなぁ。
その前にちょっと全体的に見てみますね
・・・。
・・・・・。
えっと。ちょっと驚かないで聞いてくださいね。
赤ちゃんの心臓にちょっと問題があるかもしれないので・・・
着替えたらお話しましょう
超音波をお腹に当てながら、最初は和やかに笑顔だった先生の顔が、少しずつ曇っていくのがわかりました。
そして、やがて同じ場所を何度も探っている様子でした。
「え?何か問題があるの?」と感じた私の嫌な予感は的中してしまいました。
こうして、結局赤ちゃんの性別はわからないまま胎児超音波診断は終わりました。
大学病院でふたたび胎児超音波診断を受ける
数日後、旦那さんと2人で大学病院へ向かいました。
そしてふたたび胎児超音波診断を受けました。
もはや、和やかな雰囲気はありません。
とても優しそうだった先生も、先日の病院での雰囲気とは違って、とても真剣なまなざしで超音波の画面を見ていました。
無言のまま、ただただ何度も同じところを念入りに確認している先生。
でも、素人の私が見ても、そこにどんな異常があるのかまったくわかりませんでした。
だいたいわかりました。着替えたらお話しましょう
こうして、旦那さんと2人で赤ちゃんの異常について話を聞きました。
- 心臓に異常がある事は間違いない
- 心臓病の程度としては中等度~重度である
- 詳しい病名は産まれてからでないとわからない
⇒ 妊娠30週で赤ちゃんが大きくなっていて、お腹の中でほとんど動きが無くなってくる時期なので詳しい診断が難しい - 赤ちゃんがお腹の中にいる時は苦しいという事もなく元気なので、今までどおりに過ごせる
- 出産も問題ないので通常分娩が可能。ただし日を決めて計画分娩をする
- 出産日は小児科・心臓外科・産科が揃う日で調整する
産婦人科での診断から大学病院に行くまでの数日間「どうか間違いであって欲しい」という思いと「先生のあの顔は間違いなく病気があるんだろうな」という思いで過ごしてきました。
そしてこの診断を聞いて、やっぱり間違いなかったんだ…と目の前が暗くなりました。
先生が話してくれた大切なこと
私と旦那さんの前で先生は優しい顔に戻って、ゆっくりと丁寧に病気の話をしてくれました。
そして出産までの過ごし方についても丁寧に話してくれました。
お腹の赤ちゃんの病気が見つかることは珍しいことではないんです。
でも、見つけられないまま出産後に大変な状態になって手遅れになってしまう赤ちゃんがいる事も事実です
この前の産院での超音波診断は任意の検査でしたよね?
全員の方が受ける検査ではないのにその検査を受けられてそして病気が見つかったというのは私も驚いています。
この診断を専門でやってきている私からすると30週っていうのは正直ギリギリの大きさなんですね。
赤ちゃんがだいぶ大きくなっていて動きがほとんど無くなってくるので診断したい場所を見れない事が多いんです
私も先日の診断の時にはまだ確信が持てなくて、今日来てもらったんですがやはり間違いなかったです。
でもそれがわかるのは凄いことです。
きっと、すごく強運な持ち主の赤ちゃんだと思いますよ。
お腹にいる時に自分から異常を知らせてくれたから、こちらも万全の体制で出産を迎える事ができます
小児科の先生も心臓外科の先生も全力でサポートしますから安心して出産しましょう。
赤ちゃんは、今は全然苦しくないんです。
だからお母さんも出産の日までは楽しんでほしいです。
そう言われても難しいかもしれませんが、今まで通りに赤ちゃんに話しかけて、運動をして、美味しい物を食べて出産の日まで過ごしてくださいね
先生のおはなしに涙が溢れて止まらなくなりました。
看護師さんが肩を抱いて背中をさすってくれました。
病気の説明を聞いていた時には、ショックだったけどまだ涙は出ませんでした。
「やっぱりそうだったかぁ」とこの数日のモヤモヤした気持ちがはっきりして不思議と落ち着いていたんです。
そして先生から「強運な赤ちゃんです」と言われて、なんだか嬉しくなってしまったんです。
病気を告げられて嬉しいというのもおかしな話ですが、先生のその言葉でこの子は大丈夫なんだって思えて涙が止まらなくなったんだと思います。
はじめて見た旦那さんの涙
大学病院を出ると外はもう真っ暗でした。
遅くなったので、レストランで夕飯を食べて帰る事にしました。
隣の客席との間もそれほど広くない駅ビルの中のごくごく普通のレストラン。
帰宅してからゆっくり話せばいいのに、やっぱり気になって口を開いてしまった私。
どうすればいいのかね…
どうしようもないよね…
きっと大丈夫だよね…
先生も全力でやってくれるだろうし大丈夫だよ。
でも、心臓病か……。
手術で治して終わりって事ないだろうな……。
ちゃんと大きくなれるのかな……(涙)
旦那さんは、嗚咽に近いような状態で急に涙を流しました。
旦那さんの涙を見たのは、後にも先にもあの時だけです。
そんな旦那様を見て、私もまた涙が溢れてしまいました。
広くはないレストランで2人して泣く夫婦。
隣のおばさんがチラチラと変な目で私達を見ていました。
こうして心臓病の赤ちゃんを出産するために大学病院に転院しました。
情報収集のためにブログを書こうと決めました
当時楽天ブログでブログをスタートさせました。
お恥ずかしい文章ではありますがはじめて書いたブログ記事をそのままご紹介します。
内容が重複している部分がありますので読み飛ばしていただいても大丈夫です!
はじめまして。ブログ開設にあたって今日はちょっと自己紹介をしようと思います。
一言で言うと結婚3年目、現在妊娠9ヶ月のなんのへんてつもないお気楽主婦です。
結婚してすぐにでも子供が欲しかったのになかなかコウノトリは来てくれませんでした。
結婚1年目に子宮にポリープまでできました(涙)2回も手術をしてポリープを切除しました。
それから漢方やら鍼灸やら子授け祈願やら、あれやこれやと頑張って3年目にようやく天使がやってきました♪
妊娠中はとっても順調で、つわり・・・なにそれ??? って感じで毎日幸せに過ごしてきました。
そしていよいよお腹も大きくなってきた8ヶ月(30週)の頃、たまたま受けた胎児超音波診断という検査でお腹の赤ちゃんに心臓の病気があると知らされました。
さすがのお気楽な私も一瞬目の前がくらーくなりました。
お医者様には「助けてあげられないような重症ではないけれど、それなりに大変で覚悟が必要です」と言われました。
さすがにその夜は夫婦ふたりで泣きました。
そして現在33週。お腹の赤ちゃんはお腹の中では何も苦しくないらしく、毎日キックキックでとっても元気な様子です。
私も9ヶ月になるというのに体は身軽でマタニティビクスやマタニティスイミングに通って楽しいマタニティライフを過ごしています。
病気のことはとってもとっても不安です。でも今は赤ちゃんに会える日が待ち遠しくて楽しみです。
先生に「お腹の中で異常が見つかるのはとっても珍しいですよ。この子はとても強運の持ち主だから、それを信じて頑張っていきましょう!」と言われました。それを信じて頑張っていこうと思っています。
とはいえ、はじめての出産、そしてはじめての育児、ましてや障害児となる子の育児・・・
わからない事だらけです。
このブログをとおして、同じような境遇の方と出会いたい、多くの人と出会いたいと思います!
ブログ初心者ですがどうぞよろしくお願いします!
こうしてブログをはじめた事によって同病仲間も増えました!
まとめ
私が妊娠30週の胎児超音波診断で経験してきた事をまとめました。
私が妊娠していたのは2006年です。
今は胎児超音波診断もだいぶ進歩して私が経験した頃よりもはるかに精度が上がっているかもしれません。
妊娠中に赤ちゃんの病気を知らされるというのはとても衝撃の出来事です。
でも病気がわかるのも奇跡的な出来事だと思います。
この時お腹の中にいた赤ちゃんは医療によって助けられて元気に過ごしています。
同じような経験をして悩んでいる方に私の体験談が届けばいいなと願っています
『ママ広場』にも記事を掲載しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。