妊娠中にお腹の赤ちゃんに先天性心疾患がある事が判明しましたが、出産日を決めた計画出産で無事に赤ちゃんを出産しました。
先天性心疾患は100人に1人の割合で産まれます。
軽症から重度のものまでさまざまな疾患がありますが、息子の場合は100万人に1人の稀で重度の心臓病であることがわかりました。
たらこっこ@nikonikotarakoです。
先天性心疾患が思っていたよりも重度だった赤ちゃん。
出産から2時間後に命の選択をせまられた時の体験談です
先天性心疾患が重度だったらどうなる?
赤ちゃんとは出産後わずかに頬を合わせただけですぐに検査のために連れて行かれました。
そして赤ちゃんとの対面の前に主治医から心臓病についての説明がありました。
出産から2時間後だったので私はようやく起き上がれる状態で車椅子に乗って話を聞きました。
息子の心臓病は大学病院の心臓外科の先生が今まで20年やってきた中でも見たことがないほどの複雑な奇形を持っているとのことでした。
妊娠中の検査では「中等度~重度の心臓病の可能性が高い」と言われていました。
できるだけ軽い状態であって欲しいと思っていましたが、結果はとても重い心臓病ということでした。
今は薬を使って状態を落ち着かせています。
しかし、いつまでも待っていられる状態ではないので1週間後には手術をしなければならないですね
手術の危険率は30%~40%というとても厳しいものです。
でも、手術をしなければ助かる方法もありません。
命の選択をせまられる
ひととおりの心臓病の説明と手術方法の説明を聞きました。
そして最後に先生が静かにこのように話しました。
「本当に見たことがないような病状ですので厳しい状態である事は間違いないです。
でも、我々としては全力で助けてあげたいと思っています。
ただ、手術がうまくいったとしても一生心臓病を抱えて生きていくことになります。
育てられるのはご両親ですから手術をするのかしないのか、今夜ご家族でよく話し合われてください」
え?どういうこと?
助ける以外の選択肢があるの?
手術をしなければ数週間~数か月で死んでしまうんでしょ?
「よく話し合う」って何を?
なぜ先生は命の選択をせまるような事を言ったの?
だいぶ後になってから、この場に立ち会ってくれていた看護師さんにこの時の話を聞いたことがあります。
やはり赤ちゃんが重い病気を持って産まれてくると、みなショックを受けます。
その後の対応でも色々なご家族がいるそうです。
- すでに兄弟がいて、そっちに手がかかるからとほとんど面会に来ない家族
- 手術に同意したはずなのに「こんな赤ちゃんならいらない」と面会を拒否した家族
病院としては、そういう色々なケースを見てきているからこそ、きちんと意思を確認しておく必要があるということでした
命の選択をせまられるほどの病名は総動脈幹症でした。
出産から4時間後にようやく赤ちゃんとの初対面
午後10時にようやく赤ちゃんとはじめての対面をしました。
手術までの1週間、赤ちゃんはNICU(乳幼児集中治療室)のベッドに寝ています。
大きなベッドにいくつもの生命維持装置が置かれていました。
もっと苦しそうな状態を想像していましたが、赤ちゃんはすやすやと眠っていました。
小さな小さな赤ちゃんの手はとても温かくてやわらかかったです。
体にたくさんの管がつながれていて、普通の赤ちゃんとはまったく違う様子でした。
でも、触れた時の温かさに夫婦で感動して、とても嬉しい初対面になりました。
まとめ
出産から2時間後に聞いた赤ちゃんの心臓病についての記録をまとめました。
出産後すぐに対面もできず、重い現実を突きつけられる。
本当に長い長い1日でした。
それでも、無事に産まれてきてくれた事への喜びを感じて、なんだか不思議と温かい気持ちに包まれる日でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。