RSウイルス感染症は生後2歳~3歳までにほぼすべての子が感染するといわれている呼吸器感染症です。
その予防接種シナジスはとても高価な薬で保険適用で受けられる対象疾患が決まっているのを知っていますか?
そこでこの記事ではRSウイルスの予防接種シナジスが保険適用で受けられる対象疾患についてまとめています。
ご訪問ありがとうございます。
たらこっこ@nikonikotarakoです。
息子は保険適用でシナジスを受けてきましたが、先天性心疾患であっても全員が保険適用になるわけではないんです
目次
RSウイルス感染症について
RSウイルス感染症はおもに冬季に流行します。
2歳までにおよそ80%の子が感染し、3歳までにはほぼすべての子が感染します。
新型コロナウイルスが流行している2021年はなぜかRSウイルスが大流行しています
どんな症状?
多くの場合は発熱・鼻水・せきなどの症状で軽い風邪症状でおさまります。
しかし風邪症状ではおさまらず、その後咳がひどくなる、呼吸困難となるなどの症状が出る場合もあります。
健康な子でも10%程度は入院が必要になります。
RSウイルス感染症は免疫がつきにくいので何回も感染する場合があります。
先天性心疾患児が感染した場合
重度の先天性心疾患児がRSウイルスに感染した場合には人工呼吸器を装着しなければならないほど重症化する可能性があるため注意が必要です。
シナジスについて
シナジスはRSウイルスに感染しても、体内でRSウイルスが増殖することを防ぐことができる予防薬です。
通常の予防接種とは違います
シナジスは通常の予防接種のワクチンとは違います。
RSウイルスに効果がある成分を精製したもので効果はおよそ1ヶ月程度です。
そのためRSウイルスが流行する9月~3月頃までの間、1ヶ月に1回の投与が必要になります。
息子の場合も通常の予防接種とあわせて同時接種を受ける日がありました
体重が増えると左右の太ももに筋肉注射されるんだよ
先天性心疾患で入院期間が長い場合は予防接種のスケジュールが詰め込みになります。
通常の予防接種に加えて、シナジス接種のスケジュールを立てます。
体重によって接種量が変わるため、体重が増えると左右の太ももに注射をすることになります。
多い日には、採血にプラスして4本の予防接種という事もありました。
泣き疲れて汗だくでグッタリしている息子を見るのは辛い気持ちもありましたが、重症化を防ぐには仕方がないことですね。
保険適用となる対象疾患
シナジスはとても高価な薬です。体重によって投与量が変わりますが1回の接種につき8万円~32万円ほどかかります。
そのため保険適用で受けられるのは対象の疾患が決まっています。
ガイドラインは?
日本小児循環器学会のガイドラインにはこのように記載されています。
先天性心疾患を有するRSウイルス感染ハイリスク児を以下に定義し、RSウイルス感染の重症化抑制を目的にパリビズマブの投与を推奨する。
- RSウイルス感染流行開始時に生後24ヵ月齢以下の先天性心疾患児で、以下の症状等が認められる場合
- i. 明らかに循環動態の異常を示す
- ii. 未手術のもの、もしくは部分的修復術や姑息術を受け、症状が残存している
- iii. 術前または術後において肺高血圧症を有している
- iv. 手術(心臓または心外手術)、心臓カテーテル検査が予定されている
- v. 循環動態の異常は軽度だが、呼吸器疾患を合併している
- RSウイルス感染流行開始時に生後24ヵ月齢以下の先天性心疾患児で、有意な症状を認めない、もしくは完全修復術を施行された乳幼児において、以下の症状/症候群を有する場合
- i. 染色体異常、遺伝子異常を有する
- a. 21トリソミー(Down症候群)
- b. 他のトリソミー
- c. 22q11.2欠失症候群 等
- ii. その他の先天奇形を伴い、呼吸器系の機能的、器質的異常を有する
- RSウイルス感染流行開始時に生後24ヵ月齢以下の乳幼児で心筋症、不整脈等を有し、明らかに循環動態の異常を示す場合
病院の説明による対象疾患
息子がシナジス接種の対象となった時に病院からもらった冊子にはこのように書かれています。
シナジス開始時の月齢が24ヶ月以下の次のような新生児・乳児・幼児が対象になります
- 心臓のお薬を飲んでいる。体重増加やミルクの飲みが悪い。多呼吸や肝臓の腫れを認める
- 肺高血圧がある
- 6か月以内に外科治療や心カテーテル検査が予定されている
- 生まれつきの呼吸器系の機能的な異常を合併している
- 染色体や遺伝子異常を合併している
保険適用の対象にならない心疾患もある
息子と同じ病院の先天性心疾患の子でも保険適用の対象にならない子もいました。
次のような新生児・乳児・幼児は保険適用の対象にはなりません
- 軽い心房中隔欠損、心室中隔欠損、動脈管開存などの場合
- 軽度の弁狭窄や弁逆流の場合
- 手術やカテーテルによる治療で完全修復された場合
シナジスの保険適用の対象になる場合には主治医から説明があると思いますが、対象になるかどうかわからない場合には病院に確認しましょう
終わりに
RSウイルスの注射薬シナジスが保険適用で受けられる対象疾患についてまとめてきました。
新型コロナウイルスが流行中の2021年は5月頃からRSウイルスの感染が拡大しているそうです。
大阪や九州などでは春先から感染報告が急増して、大阪では過去10年で最多です。
疾患を持っているお子さんは、シナジスの接種について主治医に相談する事をおすすめします。
ちなみに、息子の場合は幼稚園の頃に1度RSウイルスと診断されましたが、通常の風邪程度の症状でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました